HOME > 国政ニュース一覧 > 国政ニュース詳細

国政ニュース詳細

2020年2月26日
【外国人・外国法人による「規制なき土地取得」について】

昨日、衆議院予算委員会分科会で野党会派の前原議員から北海道などで進んでいる外国人・外国法人による水源地等の大規模な土地取得等に対する「土地取得規制」の可否についての質問があり、答弁させて頂きました。

外国人・外国法人の可否について定められている法律としては「外国人土地法」(大正14年法律第42号)という古い根拠法がございます。

この法律は外国人・外国法人が「日本において土地所有権等を取得することを原則として認める」とともに、その『例外』を定めている法律です。

法律では『例外事項』として、

ヽ姐颪日本人による土地取得を制限する場合に備え『相互主義』により外国人・外国法人により土地取得等を制限できる(第1条)
◆惺駛評緝要な地区』につき、外国人・外国法人による土地取得等を制限できる(第4条)

が、規定されておりますが、いずれの例外も『政令の制定』が必要とされており、現在、同法に基づく『政令』は制定されておりません。

ならば、政府がこの法律に基づいて『政令』を制定すれば、懸念されている外国人・外国法人による「水源地を含む森林等の大規模買収」に対する規制や「国防拠点や原子力発電所周辺」の土地取得制限、さらには「相互主義に基づく規制(日本人・日本法人による土地取得を認めない国の国民・企業による土地取得を制限する)」は、すぐにでも出来るではないか。政府は指を加えながら注視しているだけか。となりますが、ことはそう単純ではありません。

この法律の適用にも「日本国憲法」が立ちはだかります。

まず1条(相互主義制限)は、制限の対象となる権利、制限の態様、制限違反があった場合の措置等についてはなんら規定されておらず『政令』に白紙・包括委任されています。大日本帝国憲法では政令による制限が可能でしたが、現行憲法には、権利を制限し義務を課すことは国権の最高機関である国会による『立法』によらなければならない、という原則があり、『政令』による制限は憲法に抵触する可能性がございます。

また4条(国防上必要な地区の制限)は、大日本帝国憲法下における陸・海軍の軍事活動を前提としたものであり、その趣旨自体が、自衛隊さえ明記されていない現行憲法には合致しないという指摘があります。憲法を改正し、自衛隊を憲法に明記する「必要性」の論点の一つです。

他方、民法では、所有者は『法令の範囲内』で所有物の使用、収益及び処分することができると定めており、『法令』により『土地』の『利用行為』や『処分行為』を一定程度『制限』することは可能です。

しかしながら『土地の所有権』も『財産権』(日本国憲法第29条)にあたるため、憲法との関係を踏まえ、

ー詑屬鯑Г泙┐慎制目的の正当性。
規制目的に照らして規制手段が必要かつ合理的であること。

が満たされなければなりません。

つまり外国人・外国法人による土地取得制限を規定する立法は、個別の行政目的に応じ、いかなる法整備が「必要」かつ「合理的」であるかについて省庁の垣根を越えて検討を行い、結論を得る必要があるのです。WTOとの整合性もはかる必要もございます。

私は我が国を愛する政治家の1人として、また、とりわけ問題が表出している北海道で10年の歳月を過ごした者として、外国人・外国法人による戦略的土地取得に対しては強い懸念を抱きながら、これまで勉強を重ねてきました。

我々は為政者として「感情論」に陥るのではなく「制度論」を徹底的に議論し「対策を講じるための土台」を構築する責務があります。

私は決して責任から目を逸しません。